
介護を理由にやむなく仕事をやめる人は年間10万人以上
編集長の杉山です。
先日、雑誌の取材をした時に、「今後は『介護離職』をする人が増える」という話を聞きました。
介護離職とは、親などの介護をするために、やむなく仕事を辞めてしまうこと。
総務省の就業構造基本調査によると、2011年10月~2012年9月の1年間で、介護を理由に退職した人は、10.1万人に達しているそうです。
近親者が介護が必要な状態になると、仕事と両立するのは非常に困難です。
私も、祖母を両親が介護するところを間近でみてきましたが、要介護2~3と軽度にもかかわらず、両親は夜もろくに寝られず、外出もままならない状況で、日に日に疲弊していました。要介護4~5になった親を自宅で介護し続ければ、仕事などできるはずがありません。
最新の統計はまだ出ていないようですが、団塊の世代が70代にさしかかり、要介護認定を受ける人が増えている状況を考えれば、介護離職をする人は今後さらに増えていくことが予想されます。
介護離職をした後に、いかに再就職をするか
介護離職のつらいところは、その後の再就職がしにくくなることです。
介護離職中に収入が絶たれていれば、貯金も少なくなっているはずですから、介護が落ち着き次第、いちはやく働きたいところ。
しかし、かつての職場に戻れるかというと、戻れないことも多いようです。
そうなると、新たな仕事を探さなくてはなりませんが、年をとるほど、就職先の幅は狭まっていきます。
働きたいと思うような職場を見つけるのは、なかなか難しいというのが現状です。
また、介護が5年も10年も続けば、仕事のカンも失われますから、「以前のように働けるかどうか」不安も大きくなるでしょう。
介護から復職する際のならし運転に最適
そんな介護離職者の力になると考えられるのが、「社会人向けのインターンシップ」です。
数日間の就業体験をした上で採用面接が受けられるタイプのプログラムに参加すれば、徐々に心身を仕事モードにならしながら就職できます。その職場が自分にあうかどうかの判断もつくでしょう。
また、採用には直結しないタイプのプログラムでも、良いならし運転になるでしょう。
ちなみに、企業の立場から見れば、ブランクのある人は採用しづらいものですが、採用の前に就業体験をすれば、「ブランクがあっても、十分に戦力になる」と見極めることができます。介護離職後に仕事を探している人にとっても、企業にとっても、良い仕組みというわけです。
介護離職後に再就職を考えている人は、社会人向けインターンシップの体験を検討されてみてはいかがでしょうか?