【辞めずにできる】自社で週4回働きながら、週1回だけベンチャーに他社留学できる研修サービス。エッセンスの「ナナサン」

こんにちは、「30歳からのインターンシップ」編集長の杉山です。
未知の職場で期間限定で働くインターンシップは、転職のミスマッチを防ぐだけでなく、ビジネスパーソンのスキルアップや意識改革にも効果があります。
「人生100年時代を生きるために、中高年も学び直しが必要」という気運の高まりもあり、最近では、インターンシップのような形で、自社の人材を他社に派遣して鍛えるという研修サービスが次々と登場しています。
その一つが、2017年に始まったエッセンスの「ナナサン」です。
同社は、大手企業などで働く現役のプロを非常勤パートナーとして紹介する「プロパートナーズ」などを手がける人材会社です。
「プロパートナーズの登録者が自分のエンプロイアビリティを知る機会を求めていること。仕事のチャンスに恵まれないから、と転職を考えている人が多いこと。役職定年の人が、違う会社の環境を試す機会がないこと。こうしたことを解決する手段として、行き着いたのが、ナナサンです」と立ち上げの経緯を話すのは、エッセンスの米田瑛紀社長です。
3カ月~1年間、ベンチャー企業に週1で通って、働く
ナナサンの特徴は、ベンチャー企業で週1回”他社留学”できることです。3カ月~1年間にわたって通い、その企業の社員と同じように働きます。ちなみに、「ナナサン」とは、7割自社で働き、3割外で働くことを意味します。
「残りの週4日は自分の会社で通常通り仕事をこなすので、誰か後任をたてなくても、仕事が回ります。だから、前線でバリバリ働いている将来の幹部候補の管理職でも、参加できるというわけです。もちろん、週4日になる分、より一層の効率化が必要になりますが、マルチプロジェクトをこなす訓練にもなるでしょう」(米田社長。以下同)
自社と他社の仕事を交互にすることで、他社で学んできたことを、すぐに現業に取り入れられることも、大きなメリットです。
700社のベンチャー企業のなかから、留学先候補を選べる
留学先のベンチャー企業の候補は700社。エッセンスの300社の顧客に加え、ベンチャーに特化した人材紹介会社であるアイパッションと提携し、選択肢を充実させています。
どの企業に行くかは、送り出す企業と留学先企業の双方の希望を聴き、エッセンスがマッチングします。
お客様扱いされないからこそ、鍛えられる
仕事内容は相談の上ですが、多くの場合、新規プロジェクトの立ち上げ、人事制度の見直し、営業戦略の立案といった留学先企業の中長期的な課題の解決を課せられます。最初の1、2回で、終了時にどのぐらいのゴールを目指すかを決め、そのゴールの達成に向け、何をすべきか、自分で考えて、行動にうつしていくというわけです。
「その際、留学先に伝えているのが、『お客様扱いしないで、短期間でも価値の創出を厳しく求めてほしい』ということ。ゴールも、簡単に達成可能なレベルではなく、高度なゴールを設定してもらいます。すると、留学してきた人は、かなり苦しい思いをしますが、ゴールを達成した時にものすごく成長し、大きな達成感と自信を得られます。そのような、痛みを伴う修羅場体験ができることが、ナナサンの長所です」
しびれる経験で成長。リピート率は90%に
初年度から、東京電力やカクヤスなど、11社・22名が参加しました。
「たとえば、カクヤスからは、若手の人事のリーダーが、人事制度のないベンチャーに留学し、人事制度を一から作り上げたのですが、『社会人になって初めて自分が主体性をもって取り組む、しびれる経験をした』と大きな刺激を受けていました。この経験が評価され、カクヤスで新しいプロジェクトを任されています。他のお客様からも、実りのある経験ができたと評価されたようで、リピート率が90%に達しています」
研修費用は、3カ月75万円~。面接を受けた上で、留学できるかどうかが決まります。会社同士の契約になるため、個人では申し込めませんが、体験してみたいという人は、会社に直談判してみる手も?
【ナナサン・DATA】
実施期間:週1回出社を、1カ月~1年程度。3カ月以上を推奨
実施時間:1回2時間~
場所:東京都内の企業が多い
受講資格:とくにないが、これまでの経歴によって、留学先企業とのマッチングが決まる
体験内容:留学先のベンチャー企業が抱える中長期的な課題を解決。留学生が主体的に動いて、プロジェクトを推進する。候補先の企業は700社ある
研修費用:3カ月・75万円~
賃金:なし
体験後の就職:なし
(応募締め切り)
とくになし
(問い合わせ・申込み先)
エッセンス株式会社「ナナサン」
TEL:03-6661-7747(平日9~18時)
URL:http://nanasan.essence.ne.jp/