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- 【編集長もインターン】記念すべき第1回目なので、棺に入ってきました

こんにちは、「30歳からのインターンシップ」編集長の杉山です。
このサイトでは、さまざまな社会人インターンシッププログラムを紹介していますが、記事を書いていると、「僕もやってみたいなぁ」とよく思います。
そこで、「編集長もインターン」ということで、僕自身がインターンプログラムを体験するという企画を始めます。楽しみです!
映画『おくりびと』の主人公が演じた「納棺師」の仕事とは?
というわけで、記念すべき第1回目におじゃましたのは、東京都葛飾区の「(株)愛和」。
仕事旅行社の「おためし転職」(https://www.shigoto-ryokou.com/RECRUIT/detail/111)という企画で、転職につながるインターンを受け入れている企業です。
愛和が手がけているのは、「納棺師」のお仕事。どんな仕事なのか、わかりますか?
「一言でいえば、映画『おくりびと』で、本木雅弘さんが演じた主人公の仕事。故人様が来世へ旅立てるよう、生前のような美しい姿に整え、納棺させていただく仕事です」
と話すのは、同社セレモニー事業部の高久さんです。

愛和・セレモニー事業部の高久さん。入社2年目のフレッシュなスタッフです
具体的には、亡くなった方のご自宅などに行って、専用のお風呂キットを使って入浴してもらったり、体の傷を手当てしたり、化粧をしたりします。ご遺族の方と共同で、洗い清める「湯灌の儀」をおこなうこともあります。

「湯灌」の様子。入浴していただく際は、専用のバスを設置する
巧みな技術を持った納棺師が、生前に近い形にメイク
業界の外の人が見ると、納棺師は、葬儀会社のスタッフであるように見えます(少なくとも僕はそう思っていました)。
しかし、実際は、愛和のような、納棺師の専門会社に所属していることが多いそうです。同社は、全国15カ所に事業所を構えていて、業界でも大手に数えられます。
その理由の一つは、お化粧や入浴などに高い技術が必要だから。
「亡くなると顔色などが変わってくるので、生前に限りなく近くなるように、メイクをする必要があります。しかし、完璧に復元するのは極めて難しい上、自分が良いと思っても、ご遺族が納得いかないこともあります。皆が納得する形でメイクをするのはなかなか簡単ではありません」
と話すのは、セレモニー事業部係長の幸山憲和さんです。

セレモニー事業部係長の幸山憲和さん。15年のキャリアを持つすご腕の納棺師です
さらに、メイクにじっくり時間をかけられれば良いのですが、ご遺族のお別れの時間をジャマしてはいけないので、できるだけ早く終わらせることも必要です。スタッフが2人いるとしたら、メイクとお着替えを20分以内に済ませるのが目安だそうです。
「大変ではありますが、きれいに身支度を整えて、ご遺族に感謝される喜びは何者にもかえられません。係長になったので、最近はお化粧などをさせていただく機会が以前より減っているのですが、そういう機会があると、『やはり現場で仕事をするのは良いな』と感じますね」(幸山さん)

納棺師のメイク道具
故人が、羽織袴やウェディングドレス、剣道着を着られる!?
さすがに、取材では、亡くなった方のお宅におじゃましづらいので、仕事内容の一部をちょっと体感させていただきました。
愛和では、独自のオプションサービスとして、亡くなった方に「羽織袴」や「打掛け」に着替えていただくサービスもおこなっています。
本当に「着替える」わけではなく、綿でできたさまざまなパーツをご遺体に乗せて、本物の羽織袴や打掛けを身にまとったように見せるのです。
「ご要望によっては、タキシードやウェディングドレスなど、洋装にすることも可能です。また、剣道着をつくって差し上げたこともあります。『剣道着を棺に納めたい』とご遺族がおっしゃっていたのですが、剣道着は焼くと火葬場の炉が傷ついてしまうので、綿でつくったのです」(幸山さん)
このサービスはオプションですが、「きれいな姿、立派な姿でお見送りできる」と好評だそうです。
何はともあれ、棺に入ってみました
一体、どんなものなのか? 写真だけだとよくわからないので、見せていただくことにしました。
というか、見ているだけというのもなんなので、自分が棺に入って体感してみました。
こんな感じの棺に、
入ります。
亡くなった状態を疑似体験するって縁起が悪そうですが、「生きたまま棺に入ると長生きする」そうなので、軽くニヤけております。
幸山さんに、実際の手順で、身支度をしていただきました。
実際、亡くなった方の立場で施されるとわかるのですが、スピーディでありながら、手の動きがじつにソフト。ご遺体に負担がかかりません。これがプロの納棺師の技か!
そして、できあがりがこちら!
普通に仏衣を着ているときより、華やかな感じに。
「送り出す時は、立派な姿にしてあげたい」というご遺族から好評なのもうなずける仕上がりです。
納棺師は「究極のサービス業」
幸山さんいわく、「納棺師は『究極のサービス業』」。
亡くなった方とのお別れをする上でなくてはならない重要な存在であり、絶対に失敗できない責任の重い仕事です。だからこそ、他では味わえない充足感を味わえるというわけです。
仕事旅行社の「おためし転職」では、現場に同行させてもらえるそうです。
ちょっと興味あるな……という人は、ぜひエントリーしてみてください。
編集長のインターンシップ先を募集中!
なお、「30歳からのインターンシップ」では、「編集長に、ちょっとインターンシッププログラム(一部でも)を体験させても良いよ」という事業者様を募集しています。
見学だけでなく、実作業もさせていただけると嬉しいです(厚かましくて申し訳ございません)。
よろしくお願いいたします。
取材協力:(株)愛和、(株)仕事旅行社