【3カ月だけ兼業を試せる】リモートワークで地域の課題を解決する「シェアプロ」。なぜハマる人が続出するのか?

 
枡の工場を見学。地場産業の課題の解決に取り組む

こんにちは、「30歳からのインターンシップ」編集長の杉山です。

「やりがいのある仕事をしたい」「人生100年時代に備えて……」。
そんな理由から、本業だけでなく、「兼業」「パラレルキャリア」を模索している人が増えているようです。
でも、何を始めていいのかわからないし、いきなりガチでやるのはちょっとなぁ……という人も少なくないでしょう。

そんな人にピッタリの「シェアプロ」というプログラムがあるのを、ご存じですか?

今の仕事を続けながら、中小企業・団体の経営革新に、3カ月間だけ参画

シェアプロとは、岐阜のNPO法人G-netが2017年に立ち上げた、社会人向けのインターンシッププログラム

その特徴は、
「今の仕事を続けながら、東海地域(岐阜・愛知)の中小企業や団体の経営革新に、3カ月間だけ参画できる」ことです。

これまで第3期までおこなわれていて、1期につき、4~7つの企業・団体のプロジェクトが用意されました。
以下はその一例です。
◎農家の規格外ニンジンを使った加工食品の開発・プロモーション
◎枡のメーカーの新商品開発プロジェクト
◎地域の銭湯のブランディング・新しい活用方法の提案
◎長良川の川漁師文化を守るためのツアーやイベントの仕組み化

希望者は、これらのなかから、働いてみたいプロジェクトにエントリーします。
「一応いくつかの希望を出していただきますが、一つのプロジェクトに、よほど人が集中しない限りは、第一希望が通るようにしています」
と話すのは、G-net代表理事の南田修司さんです。

G-net代表理事の南田修司さん

基本はオンラインミーティング。東海地方以外の人でも参加できる

「東海地方に住んでいないので、私にはできない」と思うかもしれませんが、大丈夫。
キックオフ・中間報告・最終報告の時は現地に行く必要がありますが、あとは週1回程度のオンラインミーティングで仕事を進めるので、他の地域に住んでいる人でも、参加するチャンスはあります。また、第4期以降は東海以外のエリアの開催も検討しているそうです。

オンラインミーティングには、必ず、G-netのコーディネーターも同席します。
「いくら優秀な人が参画したとしても、文化がまったく違う会社の仕事をすると、なかなかかみあわないこともあります。まして、3カ月限定なので、何も進展がないまま過ぎ去る可能性もあり得ます。それを防ぐために、コーディネーターがオンラインミーティングに入り、受け入れ先が期待していることを整理したり、得意不得意を見極めて、参加者に仕事を振り分けたりしています」(南田さん。以下同)

要所でリアルなミーティングをおこなうこともあるが、基本はオンラインミーティングで進める

「故郷の仕事をしたいけど、今の仕事も面白い」という声に応える

G-netがシェアプロを始めたきっかけの一つは、東京で働く人から、「故郷に貢献したいけど、その方法がわからない」という声をいくつも耳にしたことです。

「たとえば、『青森に帰りたいけど、青森のことを調べても自分が取り組みたい仕事の情報が見つからない。また、東京での仕事も面白いので、離れたくない気持ちもある』という話を聞きました。このような人たちの存在は、地域にとって貴重であり、すごくもったいないことです」

彼らを活かすためには、どうしたらよいか。そう考えて、行き着いたのが、「オンラインミーティングを駆使して、3カ月間だけ兼業できる仕組み」でした。

もともとG-netは、2004年から、大学生を対象に、6カ月以上にわたって企業で実践体験をおこなう「ホンキ系インターンシップ」を提供。数百人の大学生を送り込んできた実績を持っていました。
「ビジネス未経験の若者が地場産業の経営革新に参画し、一定の成果を出せているのだから、ビジネス経験のある社会人なら、投入時間が減ったとしても、地域に同じインパクトを与えられるのではないか。地域に貢献したいという人を地場産業とマッチングすれば、双方にとってメリットがあるのではないか。そう考えました」

3カ月だけでも地域の仕事を兼業できれば、自分の向き・不向きが見えてきますし、兼業の面白さや難しさも体験できます。将来、兼業をしたい人にとっては、貴重な経験となるというわけです。

参加者は多種多様。仕事が楽し過ぎて、やり過ぎてしまう

その目論見通り、シェアプロは、参加者と受け入れ先の双方にメリットをもたらしています

参加者は、第1期が11人、第2期は28人、第3期は17人。
第2期は、富士ゼロックス(株)が企業ごと参加しましたが、第1期と第3期はさまざまな人が集まったそうです。
「30代のフルタイム勤務の方がメインですが、業種は多種多様。大手メーカー、コンサルティング会社、人材会社……、公務員の方もいました。ニーズのパターンも、『転職準備をしたい』『兼業の準備をしたい』『キャリアアップをしたい』『岐阜や参加企業に関わりたい』とさまざまでしたね。東海圏に住む人が9割を占めていましたが、関東在住の人もいらっしゃいました」

わずか3カ月間ではありますが、参加者たちは、そのプロジェクトの仕事にハマる人が少なくないそうです。
「ある時、夜中の3時、4時にメッセンジャーが動き始めたので、何かと思ったら、シェアプロのメンバーが数人やり取りしていました。さすがに『本業に支障をきたすと困るので、夜は休んでくださいね』と伝えたら、『楽し過ぎて』というのです。これまでとまったく畑が違う新鮮さがあり、地元に貢献できる仕事なので、ついついやり過ぎてしまうようですね。本業との両立についても、3カ月限定のプロジェクトなので、少しやり過ぎることがあっても両立できているようです」

さらに、「3カ月だけで終わりたくない」と、そのまま継続して働き続ける人もいるそうです。シェアプロは、プロボノであり、金銭的な報酬はありません。それでも働きたくなる魅力があるというわけです。

酒蔵に参画するプロジェクトで米作りの田んぼを見学。普段の仕事ではできない、新鮮な体験ができる

3カ月で成果を上げるプロジェクトも。自信につながる

参加者の熱意の高さは、プロジェクトの成果にも結び付いています。

たとえば、にんじん農家のプロジェクトでは、3カ月間のうちに、鯛と人参の離乳食を開発し、日経新聞でも取り上げられました。
「このプロジェクトでは、ホテル勤務の方がレシピ開発を手伝い、飲食店担当の営業の方が飲食店の離乳食ニーズを調査。メーカーの広報の方がプレスリリースを作成・送付しました。こうした取り組みが注目され、次の展開も見えてきています」

また、枡のメーカーの新商品開発プロジェクトでは、枡を内装材として売り出すことにチャレンジし、3件の受注を獲得しました。公務員の方と士業の方が参画し、誰も内装材に詳しくなかったそうですが、一からリサーチして、受注までこぎつけたそうです。

このように、成果に貢献できれば、自信にもつながります
「富士ゼロックスさんの担当者の方には、『参加者の自己肯定感がめちゃくちゃ上がった。3カ月でこの結果が出せるのは、研修の担当者としては悔しい』と言われました」

また、参加者のなかには、シェアプロをきっかけに、本業の上司に、地域活性化の部署への異動を申し出て、活躍している人もいるそうです。兼業だけでなく、さまざまなチャレンジにつながっているわけです。

第4期は2019年中に開催予定

次回、第4期の開始時期は未定ですが、2019年中にはおこなわれる予定。G-netが運営する「ふるさと兼業」(https://furusatokengyo.jp/)で告知をするそうです。

シェアプロは、兼業を考えている人だけでなく、地域貢献をしたい人、未知の分野の仕事にチャレンジして新しい刺激を得たいという人にとっても、ピッタリのプログラムと言えるでしょう。興味のある人は、ぜひ挑戦してみてください。


【シェアプロのポイント】
・今の仕事を続けながら、東海地方の中小企業や団体の経営革新に、3カ月間だけ参画できる
・オンラインミーティングが中心なので、東海地方以外の人でも参加可能
・オンラインミーティングにはG-netのコーディネーターも必ず参加
・金銭的な報酬はない
・自身の希望で、3カ月の期間後も働き続ける人もいる

【問い合わせ先】
NPO法人G-net
TEL:058-263-2162(受付時間 9:30~18:30 土日祝休)
https://gifist.net/

杉山 直隆「30歳からのインターンシップ」編集長

投稿者プロフィール

ライター/編集者。オフィス解体新書・代表。
1975年、東京都生まれ。専修大学法学部卒業後、経済系編集プロダクションで雑誌や書籍、Web、PR誌、社内報などの編集・ディレクション・執筆を、約20年ほど手がけた後、2016年5月に独立(屋号:オフィス解体新書)。http://officekaitai.xsrv.jp/ 2017年8月に本サイトを立ち上げる

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